名詞とは

名詞は「家」「富士山」「君」のように、物事の名称をあらわします体言ともいいます。名詞は自立語で活用がなく単独で主語になるという特徴があります。

活用(かつよう)とは語尾の形が変わること。逆に活用しないとは語尾の形が変わらないことです。

自立語は、それだけで意味がわかる言葉のことをあらわします。

- 楽しみにしていた新刊が発売された
- このお菓子は本当に美味しい
「新刊」「お菓子」が名詞です。

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名詞の一覧

日本語の名詞の例の一覧をご紹介します。

辞書、漢字、内容、客船、富士山、東京湾、イタリア、エベレスト、南北戦争、21世紀、100平方メートル、ぼく、君、こちら、それ、

上記のような名詞が文の中でどのようなはたらきをするのかを、以下で解説します。

名詞のはたらき

名詞には全部で5つの働きがあります。中でも名詞の最大の特徴は主語になれることです。

名詞のはたらき(1)主語になる

名詞は「は」「が」「も」などの助詞をともなって、主語になります。

角川さん文字を書くのがとても早い。
味噌汁人の心をほっとさせる。

名詞のはたらき(2)述語になる

名詞は「だ」「です」などの助動詞や、「か」などの助詞をともなって、述語になります。

日本で一番高い山は富士山ある。
これが有名な五大湖です

名詞のはたらき(3)独立語になる

名詞は、提示や呼びかけの独立語になります。呼びかけの場合、「や」「よ」などの助詞を伴うことがあります。

おおロミオ、あなたはどうしてロミオなの。
、どうしてそんなに広く大きいの。

名詞のはたらき(4) 連用修飾語になる

名詞は「に」「を」「へ」「と」「で」「から」「より」などの助詞をともなって、連用修飾語になります。連用修飾語とは、用言(動詞、形容詞、形容動詞)文節を修飾する文節です。

りんご食べる。
からでまかせが出る。

名詞のはたらき(5)連体修飾語になる

名詞は「の」「に」「を」などの助詞をともなって、連体修飾語になります。連体修飾語とは、体言(名詞)文節を修飾する文節です。

山野部さん家のそばには公園がある。
斜面の下にはロッジがあるよ。

名詞の種類

名詞は、国語では普通名詞、固有名詞、数詞、形式名詞、代名詞の5つに分類することができます。

名詞の種類(1)普通名詞

一般的な物事の名称をあらわす名詞。

飛行機、机、心、知識、時間、愛

名詞の種類(2)固有名詞

人物、物事、場所など基本的には1つしかないものをあらわす名詞。

吉本ばなな、バリ、エッフェル塔、日経新聞

名詞の種類(3)数詞

ものの数、量、順序をあらわす名詞。

1つ、5番目、2人

名詞の種類(4)形式名詞

常に修飾語を受けて意味をあらわす名詞。代表的なものは「こと」「もの」「ところ」「ため」「つもり」「はず」。

行くこと、着るもの、来るはず

名詞の種類(5)代名詞

人・物・場所・方向などを指し示す名詞。

私、あなた、これ、だれ、それ、あちら

※代名詞は名詞の種類の一部としてあらわす方法と、名詞と切り分けて説明する方法がありますが、ここでは名詞の種類の一部として紹介します。

代名詞の種類

名詞の種類の1つである代名詞についてさらに詳しく解説します。代名詞とは名詞のかわりに人・こと・ものをあらわす語です。

代名詞には、人称代名詞指示代名詞の2種類があります。

代名詞の種類(1)人称代名詞

人称代名詞とは、人を指し示す代名詞です。

わたし、きみ、こいつ、かれ、だれ

代名詞の種類(2)指示代名詞

指示代名詞とは、物事・場所・方角を指し示す代名詞です。

ここ、そこ、あちら、どこ、あそこ

代名詞の種類の一覧表

おもな代名詞の種類の一覧です。

自称とは、一人称のことで、「わたし」など自分のことを言います。
対称とは、二人称のことで、「あなた」など他人のことを言います。
他称とは、三人称のことで、「彼ら」など複数の第三者のことを言います。

種類 自称 対称 他称(近称) 他称(中称) 他称(遠称) 不定称
人称代名詞 わたくし・わたし・ぼく あなた・きみ・おまえ この方・こいつ その方・そいつ あの方・かれ・あいつ どなた・だれ・どいつ
指示代名詞 物事 - - これ それ あれ どれ
場所 - - ここ そこ あそこ どこ
物事 - - こちら そちら あちら どちら

文章で一番多い品詞は名詞

文章の中で一番多く出てくるのが名詞です。例えば以下の文章の中から名詞を抽出してみます。

彼と一緒に暮らすようになって毎日の楽しみが増えた。
このクッキーは甘みが少し足りない。
あっちの魚を1つください。
こちらを向いて座っていらっしゃるのが村上先生なはずだ。

抜き出した名詞一覧

普通名詞:毎日、楽しみ、クッキー、甘み
固有名詞:村上先生
代名詞:彼、あっち、こちら
数詞:1つ
形式名詞:はず

名詞が占める割合は30%です。次いで助詞は28%、動詞は16%と続きます。文章で一番多い品詞が名詞です。例えばAppleのサイトの文章を品詞ごとに分解して統計を取ってみても、やはり名詞が一番多くなります。
(参考: Appleの文章を品詞ごとに分解した調査結果)

そのため名詞の語彙力が不足すると、どうしても文章を書きにくくなってきます。一番使う品詞の語彙がすくないのですから当然です。そのためにも色々な文章を読み、名詞の語彙を増やしたいところです。

名詞の見分け方のポイント

名詞の見分け方がわからないという方のために、分かりやすい見分け方をご紹介します。

名詞の見分け方は簡単で、助詞の「が」「は」をつけて主語になれるのであれば名詞です。

*名詞の見分け方
助詞の「が」「は」をつけて主語になれる語

転成名詞について(まぎらわしい名詞)

ただ、名詞の中にも見分けるのがまぎらわしい名詞があります。
それは、転成名詞です。

転成名詞とは、もともと動詞や形容詞として使われていた単語から、転じて名詞になった語のことです。

学校から帰ります。(動詞)
学校からの帰りに立ち寄る。(動詞が転成して名詞になったもの)

動詞が転成名詞になった例

「泳ぐ(動詞)」→「泳ぎ(転成名詞)」
「帰る(動詞)」→「帰り(転成名詞)」
「喜ぶ(動詞)」→「喜び(転成名詞)」

形容詞が転成名詞になったもの

「美しい(形容詞)」→ 「美しさ(転成名詞)」
「重い(形容詞)」→「重み(転成名詞)」
「楽しい(形容詞)」→「楽しげ(転成名詞)」
※形容詞・形容動詞が転成名詞になる場合は、「さ」「み」「け(げ)」を伴います。

転成名詞の見分け方

少しまぎらわしい転成名詞ですが、どうしたら見分けられるのでしょうか。

転成名詞の見分け方もやはり、後ろに助詞の「が」「は」をつけて主語になれるのであれば転成名詞です。

転成名詞の見分け方
助詞の「が」「は」をつけて主語になれる語

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名詞は名称を表す自立語

名詞について解説しました。ポイントは4つです。名詞のはたらきを理解することによって、より分かりやすい文章の作成に取り組みましょう。

名詞とは

  • 物事の名称を表す
  • 自立語でそれだけで意味がわかる
  • 活用しない
  • 単独で主語になる