副詞とは

副詞は、文の中で他の言葉の意味をくわしく説明する品詞です。副詞が修飾するのは用言です。体言を修飾するのは連体詞なので区別しておきましょう。

用言とは、動詞・形容詞・形容動詞のこと。体言とは、名詞のこと。

副詞の例文・使い方

日本語の副詞は、次の例のように、すぐ下の語をくわしく説明します。くわしく説明することを「修飾する」といいます。

副詞の例
ゆっくり歩く
きらきらひかる
彼はしばらく待った
景色がはっきりと見える
ずいぶん遠い
このビルはかなり高い
私はときどき心配になる
湖面がとても静かだ

たとえば、「ゆっくり歩く」「ぶらぶら歩く」のように、副詞を使うことで、「どんな風に歩くか」をくわしく説明しています。

副詞が修飾するのは用言で、上の例では「歩く・ひかる・待った・見える」は動詞。「遠い・高い」は形容詞。「心配になる(心配だ)・静かだ」は形容動詞です。

「見える」は動詞の中の可能動詞です。

副詞の特徴

特徴(1) 活用しない

動詞や形容詞は「動く・動かない・動きます」などのように後ろにくる言葉によって形が変わりますが、副詞は変わらず、「ゆっくり」が「ゆっくら」や「ゆっくろ」には変化しません。

形が変わることを活用(かつよう)と言い、副詞は活用しない言葉です。

ただし、「景色がはっきり見える」のように、副詞は「と」や「に」を伴うことがあります。このような場合は、と(に)も含めて1つの副詞になることを覚えておきましょう。

特徴(2) 連用修飾語である

副詞のように、用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾する語を連用修飾語とよびます。反対に、体言(名詞)を修飾する連体詞は、連体修飾語とよびます。

副詞と連体詞は違いが区別しにくいと感じるかもしれませんが、副詞は用言を、連体詞は体言を修飾すると覚えておきましょう。

特徴(3) 自立語である

副詞は、それだけで意味が分かる言葉(自立語)です。反対に、それだけで意味が分からない言葉(付属語)には、助詞・助動詞があります。

例えば「ゆっくり」はそれだけで意味がわかりますが、付属語「を、に、まで」などは1つだけでは意味がわかりません。

自立語である副詞は、単独で文節を作ることができると覚えておきましょう。

特徴(4) ひらがなで表記するものが多い

副詞は、基本的にはひらがなで表記します。副詞は常用漢字表にない漢字語が多いことから、「しばらく・ゆっくり・そっと・ずっと・すっかり」などのようにひらがなで表記することが多いと覚えておきましょう。

まとめると、副詞には次のような特徴があります。

副詞の特徴
- 主に用言を修飾する連用修飾語
- ゆっくりと、はっきりとなどのように「と」を伴うことがある
- 活用しない
- 自立語である
- ひらがなで表記するものが多い

副詞の一覧リスト

副詞の例の一覧としては、以下のようなものがあります。後ろにどんな言葉がくるかイメージしながら副詞の一覧を確認してみましょう。

そっと、もっと、すぐに、ゆっくり、さっと、たちまち、やや、ごく、とても、そろそろ、ずっと、まっすぐ、もちろん、きっと、しばらく、たいてい、とうてい、まるで、すでに

副詞の種類

副詞は、その使い方によって、状態の副詞・程度の副詞・呼応の副詞の3つの種類に分けられます。

(1) 状態の副詞

状態の副詞とは、動作の状態を詳しくあらわす副詞です。どんな様子でその動作を行うかを詳しく説明します。

擬声語、擬態語も状態の副詞に入ります。擬声語、擬態語とは、音を真似て作った言葉です。擬声語は、人間や動物の声を、自然の音を真似た「ごろごろ」「ぴかぴか」などの言葉です。擬態語は、物事の様子を表す「きらきら」「てきぱき」などの言葉です。

状態の副詞の文例
亀がのそのそとあらわれた。
髪がさらさらとなびいている。
きらきら光る。
幼児がよちよち歩く
犬がわんわんほえる。
食べ物をぐちゃぐちゃにする。
赤ちゃんがおぎゃーと泣く。

(2) 程度の副詞

程度の副詞とは、状態・性質の程度をくわしくあらわす副詞です。物や事の様子がどのくらいの程度かを説明します。

程度の副詞の文例
この結果はきわめて残念だ。
賞の受賞はたいへん嬉しかった。
彼女の飼っている犬はとてもかわいい。
ずいぶん面白いことを言うんだなあ。
彼女の容姿はひときわ目を引く。
彼は少々乱暴なところがある。
今日の準備は結構大変だったんだよ。
彼女は成長するにつれて一段と美しくなった。

副詞は主に用言を修飾しますが、程度の副詞は、以下のように体言や他の副詞を修飾することがあるので注意が必要です。

会館が改築されたのはかなり前の話だ。
次はもっとゆっくり歩きなさい。

例では、程度の副詞「かなり」が名詞「前」を修飾、程度の副詞「もっと」が副詞「ゆっくり」を修飾しています。

(3) 呼応の副詞 (陳述の副詞、叙述の副詞)

呼応の副詞とは、下に受ける言葉に決まった言い回しを要求する副詞です。

例えば「まさか勝てるわけが●●」という文では●●の部分に何が続くでしょうか。「まさか〜」から始まる文なので「〜ない」が続きますね。このように「まさか〜ない」「決して〜ない」などのように、受ける言葉が決まっているものが呼応の副詞です。

呼応の副詞には、疑問(反語)、推量、仮定条件、打ち消し、打ち消しの推量、たとえ、願望の7つの種類があります。それぞれの特徴と例について解説します。

① 打ち消し

彼は退職のことは決して口にしない
彼の努力にはとうていかなわない

呼応の副詞「決して〜」「とうてい〜」の後には、前の言葉を否定して打ち消す語「〜ない」等がくると決まっています。

② 推量

あと30分も待てばたぶん来るだろう
おそらく元にはもどらないだろう

推量の副詞「たぶん〜」「おそらく〜」の後には、前の言葉の事情や心境を推し量る語「〜だろう」等がくると決まっています。

③ 仮定

たとえ反対されてもあきらめない。
もしあと1年しか生きられなくてもずっと側にいる。

仮定の副詞「たとえ〜」「もし〜」の後には、前の言葉が不確かでも仮にこうと決めようという語「〜ても」等がくると決まっています。

④ 疑問

あなたはなぜここにいる
君はどうしてそんなに急いでいる

疑問の副詞「なぜ〜」「どうして〜」の後には、前の言葉を疑って尋ねる語「〜の」等がくると決まっています。

⑤ 願望

私の願いをどうか聞いてください
ぜひ一度訴えを聞いてほしい

願望の副詞「どうか〜」「ぜひ〜」の後には、前の言葉を願ってその実現を望む「〜ください・〜ほしい」等がくると決まっています。

⑥ たとえ

彼女の動きはまるで蝶のようだ
ちょうどフランス人形のような透き通った肌を持っていた。

たとえの副詞「まるで〜」「ちょうど〜」の後には、前の言葉をたとえてあらわす「〜ようだ」等がくると決まっています。

⑦ 打ち消し推量

まさか勝てるわけがないだろう

打ち消し推量の副詞「まさか〜」の後には、前の言葉を打ち消し(〜ない)、推し量る(〜だろう)をあらわす「〜ないだろう」等がくると決まっています。

副詞の見分け方・覚え方

副詞を見つける方法としては、用言を探すことがポイントだと覚えておきましょう。体言を修飾するのは連体詞なので区別しておきましょう。

用言とは、動詞・形容詞・形容動詞のこと。体言とは、名詞のこと。

たとえば、次の文の場合、

しばらく 会わないうちにずいぶん大きくなったね

会わない(動詞)を修飾する「しばらく」と、大きく(形容詞)を修飾する「ずいぶん」が副詞です。

副詞の位置

副詞の位置は、用言の前にあります。

ただし、副詞のほとんどは用言の前にありますが、例外として体言やほかの副詞の文節を修飾するものがあるので、注意が必要です。

副詞の位置の例外
ずいぶん前の話だ。
もっとしっかり書きなさい。

上の例では、副詞「ずいぶん」が体言の文節「前の」を修飾し、副詞「もっと」が副詞「ゆっくり」を修飾しています。

副詞の位置

  • 副詞は用言の前にある
  • 例外として、体言や他の副詞の前に位置する場合がある

まとめ

副詞について解説しました。ポイントは3つです。

副詞とは

  • 主に用言を修飾する
  • 意味をくわしくあらわす
  • 活用しない

品詞を1つ1つ覚えていくのは暗記しないといけないこともあり、骨が折れるかと思います。しかし、正しい日本語を覚えることで、相手に誤解を与えることが少なくなり、言いたいことがスムーズ伝わります。間違った文章を指摘することもできるようになるので、少しずつ覚えていきましょう。