正しいダッシュ記号とは?

インタビュー記事を書く時に、インタビュアーである質問者の発言の冒頭部分で使用されるのがダッシュ記号です。以下のような記事があった場合、(1)〜(5)のうちどの質問文の冒頭の横線が正しいダッシュ記号なのでしょうか。

(1) ーーいつも何時におきますか?
朝は子供がいるので5時におきます。
(2) ––そんなに早くおきて眠くならないのですか?
その分、寝る時間も早いので大丈夫なんです。
(3) ——子供のお弁当はいつもどうされていますか?
半分は冷凍で、もう半分は夕飯の余り物のことが多いです。
(4) ――休みの日はどこに出かけますか?
主に水族館や動物園など、生き物に触れられるところに出かけるようにしています。
(5)一一それでは最後に一言いただけますか
お体にお気をつけてお過ごしくださいませ。

どれも非常によく似ていますが、厳密には全く異なるので注意が必要です。日本語の正式な表記ルールでは、正しい記号は(3)の「全角ダッシュ」です。それ以外は、ひらがな伸ばし棒や、半角ダッシュを使用しているので誤りです。

それぞれで使用している記号

(1) ひらがなの伸ばし棒
(2) 半角ダッシュ
(3) 全角ダッシュ 【正式に使用すべき記号】
(4) 水平線
(5) 漢字の一

インタビュー記事で使用するのは「全角ダッシュ記号」が正解

日本語のインタビュー記事では、全角ダッシュを2個並べるのが正式な使い方です。この全角ダッシュ記号は、JIS X 0213非漢字一覧によると、原則「EMダッシュ」と呼ばれる英字記号を使用するのが適切です。

PCでの「全角ダッシュ(EMダッシュ)」の入力方法

全角ダッシュ(EMダッシュ)は、Windowsの場合はAltを押しながら0151と入力、Macの場合はshift+option+"-"を同時に押すことで入力できます。伸ばし棒「ー」などから変換すると似たような記号が並び判別が難しいため、入力方法を覚えてしまうのがおすすめです。

【参考】全角ダッシュと似た記号の入力方法一覧

インタビュー記事で使用する全角ダッシュは、表の一番上のEMダッシュです。それ以外は似ていますが使用してはいけません。

記号 名称 Unicode割当て Windowsで入力 Macで入力
EMダッシュ(全角ハイフン) U+2214 Altを押しながら0151と入力 shift+option+"-"
- ハイフン U+002d 半角で単純に入力 半角で単純に入力
マイナス U+2212 不明 全角伸ばし棒からの変換
ENダッシュ U+2213 Altを押しながら0150と入力 option+"-"
水平線 U+2215 全角伸ばし棒からの変換 不明
全角ハイフン U+ff0d 全角伸ばし棒からの変換 全角伸ばし棒からの変換
日本語伸ばし棒 U+ff0d 全角伸ばし棒を入力 全角伸ばし棒を入力
罫線記号の横棒 U+2500 「罫線」から変換 「罫線」から変換

どの全角ダッシュ使うかはメディア次第の部分もある

全角ダッシュは、公式ルールでは「EMダッシュ」を使用しますが、メディアによってはEMダッシュ以外を使用するケースもあります。その理由としては、メディアが標準使用するフォントによって、デザイン上の問題が発生することがあるためです。ダッシュ記号が線が隣の文字にくっついたりくっつかなかったりする場合、メディアによってはEMダッシュではない記号を統一して使用することがあります。ただし、少なくとも日本語伸ばし棒を使用しているメディアはないので、その点には注意が必要です。

有名メディアのインタビュー記事で使用される記号

日経ビジネス:EMダッシュ「——」(U+2214)
Yahoo!ニュース:水平線「――」(U+2215)
産経新聞:全角ハイフン「--」(U+ff0d)
BARKS:罫線「──」(U+2500)

(2020年1月時点)

【補足】それぞれの記号の意味や由来

全角ダッシュ記号として使用する「EMダッシュ」は、もともと日本語にはなかった記号で、英語では分離の意味をあらわします。また、それ以外にも似たものとして「ENダッシュ」という記号があります。ENダッシュは「N」と同じ幅ものもの。EMダッシュは「M」と同じ幅、つまりNより少し幅が広いものだと知っておくと違いが理解しやすくなります。

ここでは補足として、EMダッシュ、ENダッシュ、そして似た記号としてハイフンやマイナスのそれぞれの英語での役割をご紹介します。

EMダッシュは「分離を表す」記号

文の囲い込み、あるいは分離をするために使われます。

Of the application frameworks—Laravel, Rails, Django—Laravel is the most popular one in recent years.

ENダッシュは「範囲を示す」記号

日本語の「1〜3ページ」という使い方のように「1–3 page」と使います。

Oct. 1975-Jan. 1976

ハイフンは「単語を接続する」記号

英語で、一時的な複合語で曖昧さを避ける必要がある場合に、単語と単語を接続します。

well-known

マイナスは「数式で使う」記号

数式表記で用います。

6−3=3

まとめ:ダッシュ記号は正しく使う

ダッシュ記号の使い方や意味を詳しく解説しました。ダッシュ記号やハイフンは、一見して似たものが多く、それぞれの使い方は分かりにくいと言われています。インタビューを専門としたライターでも、しっかりとした媒体で書いた経験がないと、その存在自体を知らない場合もあります。品質の高い文章を書くためには、このように細かな点にも気を配りスキルを高めていくことが必要ではないでしょうか。