「青田買い」の意味とは

「青田買い」とは新入社員の採用を行う企業が、通常よりも早い段階から学生に内定を出すことを意味する表現です。

慣用句「青田買い」の意味とは
新入社員の採用を行う企業が、通常よりも早い段階から学生に内定を出すこと。

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「青田刈り」は間違った使い方なのか

文化庁『国語に関する世論調査』(平成16年、26年)では、約3割の人が「青田刈り」が正しい使い方だと感じているという結果が出ています。

「企業が学生を早い時期に採用すること」を何というか

調査年度 「青田買い」を使う 「青田刈り」を使う
平成16年 29.1% 34.2%
平成26年 47.4% 31.9%

「青田買い」が正しい使い方

3人に1人が「青田刈り」が正しい使い方だと感じていましたが、実際には「青田買い」が正しい使い方です。青田刈りは、よく聞く表現ではありますが誤用だとされています。

青田刈りは誤用
「青田刈り」ではなく「青田買い」が正しい使い方。

「青田刈り」が間違っている理由・由来

「青田刈り」の「青田」とは、収穫前のまだ青い状態の田んぼのことをあらわします。青田刈りの由来は、まだ稲穂(お米)が実らない状態で刈り取ってしまうことを意味します。収穫しても稲自体に価値がない状態で、早く刈っておくことが青田刈りです。まだ育ち切っていない青々した田んぼを「刈ることで価値をなくしてしまう」のではなく、「買うことでこれから育てていきたい」ので、「青田刈り」では正しく意図を伝えることができません。

一方、「青田買い」は、普通は田んぼに稲が実ってから刈り取るところを、青田の時期に収穫があることを見越して先に買っておくことをすることを意図しています。転じて、優秀な人材を早期に確保しておくことという意味を表します。

青田買いの例文・正しい使い方

「青田買い」は、次のような例で使います。企業が優秀な学生を早期に採用するときなどに使用します。

青田買いの使い方例
  • 企業がインターンで学生を青田買いすることが問題となっている。
  • 青田買いが進んで、就活の開始時期が年々早まっている。
  • あのサッカークラブでは若手の育成というよりも青田買いに走っているように見える。
  • どうしてもあの新築マンションが欲しければ青田買いするといいよ。
  • 青田買いにはメリットとデメリットがある。

青田買いの類義語・反対語

青田買いと同じ意味をあらわす同義語としては、先によいものに目をつけて買っておく「先物買い」「前買い」「先行投資」も同じような意味で使用することができます。

青田買いの反対の意味をあらわす言葉としては、価値がないものを買ってしまう「青田刈り」や、いらないものを買ってしまうことを意味することわざ「安物買いの銭失い」などを使用することができます。

慣用句は正しく使う

慣用句の誤用の中でも「青田買い」は約3割が間違える語です。正しく理解するには、語源を知って意味を理解することも有効です。間違えやすい慣用句を知って、誤解のない文章を書くために役立てましょう。